「伝わる翻訳」 - 山田翻訳事務所 〜言葉をつないで、世界とつながる〜

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この翻訳、何に使うんですか? - vol.9

こんにちは、「伝わる翻訳」のyamadaです。

 

翻訳で失敗しないために

本日5月25日(木)、「翻訳で失敗しないため」シリーズ 第9回です。

 

何の目的でどんな媒体に使う翻訳なのかをお考えのあなたへ!

 

この翻訳、何に使うんですか?

 

文章を作成するときには、あらかじめ用途が決まっているものです。同じ事件の記事で

も、掲載するのが産経新聞サンケイスポーツかで書き方は変わるでしょう。同じ製品

に関する文書でも、販売パンフレットと保守マニュアルでは表現スタイルが全く違

います。どこに掲載するのか、何が目的で誰が読むのかによって、どんなスタイル

や用語、表現を使うべきか決まります。

 

翻訳の場合同じで、プロの翻訳者は、用途に合わせて、適切な訳文を作成します。従っ

て、翻訳を発注する際には「何の目的でどんな媒体に使う翻訳」を翻訳者に伝える

ことが重要であり、そのためには発注者自身が翻訳文書の用途を知っている必要があり

ます。

 

ポイント

さらに、翻訳者または翻訳チームと長期的な関係を築くことが、最良の翻訳を生む

秘訣です。共有する時間が長いほど、翻訳者もあなたの会社の経営哲学や方針、製品に

ついての理解が深まり、効果的な訳文を作成できるようになります。

 

事例:

① 震災で落ち込んだ東北観光を振興しようと2012年に観光庁が立ち上げた「東北観光

博」キャンペーンサイトでは、自動機械翻訳を採用した外国語ページで詩人「啄木」が

「キツツキ」にされるなど珍訳誤訳が続出。新聞でも取り上げられ、ページは一時閉鎖

される顛末となりました。

 

② 2011年に翻訳出版された伝記「アインシュタインとその生涯と宇宙」で、下巻の一

部が機械翻訳されていたことが問題になりました。「パレードは二〇〇台の酔っパラっ

ていて旗の包茎の車を含んでいた」など意味不明な文章に苦情が殺到。出版社は下巻初

版の全面改修、修正訳の再出版に追い込まれました。

 

次回は、「語学の先生や学生に頼むという落とし穴 -vol.10」です。

 

お楽しみに

 

masa