もし世界から翻訳が消えたなら
こんにちは、「伝わる翻訳」のyamadaです。
もし世界から翻訳が消えたなら
もはやグローバル化と呼ばれる現代です。私たちの身の回りにはたくさんの翻訳さ
れたもので溢れています。ウェブサイトやアプリなどデジタルなものから、ビジネ
ス書や論文、映画の字幕など、翻訳物に触れたことが無い人は、ほとんどいないの
ではないでしょうか。
世界から翻訳が消えたらどうなるのか。
まずは、そもそも翻訳とは何か、またその歴史を考えなくてはなりません。
翻訳は「文化や知識の交流」
それぞれの土地で培った知識や文化を、まったく別の土地の人々へ輸出、または輸
入する道具です。それは遠く離れた土地の文化や知識を、自分たちの生活に落とし
込み、自らの価値観を昇華させてくれる唯一の方法と言えるでしょう。
日本では鎖国をしていた時代はありましたが、オランダや中国などとは交流があり
ました。その中でも特に蘭学(オランダ学)は当時の日本の語学、医学、科学の発
展に深く関与しており、当時の日本人の知的水準の向上を担っていたでしょう。
明治時代では
二葉亭四迷など西洋小説を翻訳する日本人も増え多くの文学が日本へ輸入されまし
た。これにより、西洋の価値観や文化、知識を取り入れ、日本の近代化に向け大き
く前進しました。このような交流があったのは、もちろん日本だけではありませ
ん。ヨーロッパでは自分たちの知識や哲学をギリシア語やアラビア語に翻訳し古く
からの知識を大陸全体へ浸透させていきました。12世紀のヨーロッパではこのよう
な知識の交流が頻繁に行われ、大翻訳時代とも呼ばれており、あのルネサンスのき
っかけにもなりました。
翻訳の歴史=文化の歴史
私たちが今、当たり前のようにインターネットで中国語を学び、アメリカのECサイ
トから服を購入し、同僚の韓国人と新大久保で食事をして、連休には彼女とフラン
スにバカンスに行って、人生って最高だなって思えるのも、翻訳によりリアルな文
化的交流を生み出してくれるおかげだと思います。
もし、世界から翻訳が消えたなら、今の私たちのような便利な生活や高度な文
明はなく、悲しく閉塞した世界になっていることでしょう。
翻訳があって本当によかったですね。
「もし世界から翻訳が消えたなら」というタイトルで本を書きたいですね!
翻訳ってすばらしいなと思った次第です。